君だけに送るエール【短編】
にしても、俊介のさっきのウェルカムが頭から放れない。
あいつからしてみたらただの冗談だろうに…不覚。


「あっ諱花諱花!先輩だよ先輩!」


えーい今そんな事はどうでも………え?よくないよね?




俊介の示した先には私が以前気になっていると俊介に話した先輩の姿。

なんかその瞬間気付いてしまう。




「………私、先輩に恋してないなぁ」

「えっえぇっっ!?」


高校に入ってからはずっとこんな感じ。

振られてへこまないのも、そんなだからかも。


もしかして、恋愛出来なくなっちゃったのか?


「いっ諱花諱花っ!
もしかして久しぶりに会ったカレに惚れ直しちゃったとかっ?」


なんだなんだ。
今日は随分と恋愛カテゴリのトークを引っ張るじゃないか。


「そんなんじゃないよ」

「えー?ほんとにー?」


えーいうっとーしい。


「でもでもっ気になる奴出来たらすぐ教えよ!
俺全力で応援する!!」



あんたの全力じゃない時っていつよ。


笑いながらそう聞くと、俊介は顔を赤くして一緒に笑った。



私も教えて欲しい。

俊介に好きな子が出来た時は、ちゃんと応援するって決めてたりするのだ。
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