恋愛ごっこ
「あんたタバコ臭い」
 ・・・・え?
「はぁ?」
「タバコ臭いってゆってるの」
「知らねぇよ。吸ってねぇし」
 ・・嘘。
 バタンッ・・
 そう言いあたしは逃げるように部屋に閉じこもった

 ―バレた?―
 
 こんな言葉ばっかり頭を過ぎる

 気づけば朝・・
「あ・・あたし寝ちゃった」
 今日は休日。
 台所に行くと誰も居ない。
 出かけたのかな・・
 あたしには弟が2人いる
 真ん中の弟は6年生で一番下は2年生。
 遊びに行っていなかった
「ゲームしてやろうと思ったのに」
 そう呟き外に出た。
 
「♪♪♪~・・」
 メール?

「優希~!!公園来れる?暇だぁ相手して~」
 茜・・タイミング良すぎ
「ok!!暇だったんだ~今から行くね!」
 あたしはそう言い、タバコに火をつけ、くわえながら自転車を走らせた
 あ・・いた茜・・
 あたしは公園のベンチに座る茜を見つけた
「優希!!」
 ・・泣いていた?目が重く腫れている茜。
「茜!どうしたの?泣いてたの?」
 茜は泣き出した
「うん・・・ちょっと・・聞いてくれる?」
「うん・・」

「あたしね、親の財布からお金盗んでるの」
 え・・
「どうして?」
「あたしね、雑誌買ってるんだ!!その雑誌にね、化粧品が載ってて。それでほしくなっちゃったんだ~」
「そうなの・・」
「でもメイクって高いじゃん!?だからお金盗んだの」
 ・・・・・
「そういうのはよくないと思うよ」
「うん・・それでね、バレたの・・母さんに。あたしその時パニクってて、誤魔化したんだ・・でも無駄だったの。」
「それでどうなったの?」
「実はあたしの両親ね、離婚寸前なんだ・・前も棚の上に離婚届が置いてあったし・・」
 ・・・・・・
「それでね、お父さんが働かなくなったの。そのせいか、あたし小遣い無くなっちゃったの」
 ・・・・
「お父さんは働きもしないで外に出て行ってるの・・お母さんは心配で毎日泣いてたの・・時々お父さん帰ってくるんだけど、帰って来るたび喧嘩になってて。」
 ・・・・・・・
 あたしは真剣に茜の話を聞いていた
「それであたし我慢できなくなってお母さんに言っちゃったんだ」
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