ぐらんでぃおーそ。

奏でるべし。

完全寝不足の栄光は欠伸をしながら教室へ入る。

「おはよー」

「おはよー」

何人かに挨拶しながら自分の席に向かう。

遅刻はしなかったが結構ギリギリの時間だった。

後ろから「グモニン、遅刻予備軍」と変なあだ名で呼ばれたが、振り向かなくとも声の主は分かる。

「おっはー。昨日はありがとね」

ツッコむのも面倒なので、とりあえずメールのお礼をした。

「静佳の知り合いにも言っといて」

「オーケー」

軽く会話を交わしているとチャイムが流れる。

しばらくして担任が教室に現れ、ホームルームを始める。

ここから睡魔との闘いが始まった。





「うぉー!終わったー!!」

六時限目終了のチャイムが鳴り響き、ようやく授業が終わった。

「あんた寝過ぎ」

静佳は呆れてペシペシと栄光の頭を叩く。

体育以外の授業は全て夢の中へと誘われた。

「怒られなかったからセーフッ」

「そーでございますか。まぁ、追試中寝ないようにね」

「はーい」

栄光は筆記用具を持ち、追試の行われる教室へ向かう。

「あ、静佳どーする?先帰る?」

三教科分の追試は昨日より遅くなるはず。

「明日結果聞いてあげる」
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