みんなのせかい
女はマサユキの前に立つとジュンジの血がポタポタとしたたるカサを高く持ち上げてマサユキの紫のスニーカーを履いた右足をめがけて降り下ろした。

女のカサはスニーカーを突き抜け、マサユキの足を貫通し、地面に突き刺さった。

そんなに力を入れてカサを突き立てたようには見えなかったが女は凄い力でカサを突き立てた。

『ぎゃあぁぁ～っ！！』

マサユキは痛さのあまりに悲鳴をあげる。

マサユキとジュンジの悲鳴が不協和音となり暗闇に響く。

なおもツトムは動けずにいる。

女はくるりと周りを見回すと少し大きめの石を手に取り、悲鳴をあげ続けるマサユキの頭をめがけて思い切り叩きつけた。

石はマサユキの頭にあたりグシャリという嫌な音をたてる。

マサユキは気を失った。

動かなくなったマサユキの頭を女は更にミュールの鋭いつま先で何回も蹴った。

マサユキは蹴られた反動で体が吹っ飛びそうになるがカサが足に突き立てられて固定されているために動かなかった。

壊れたおもちゃのように動かないマサユキ。

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表紙・目次

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