みんなのせかい
その低俗な狭い世界を三人は狭いとも低俗だとも思ってはいない。

どんなに狭くて汚れている世界でも王になれれば満足だった。

もちろんジュンジもツトムもマサユキも自分の価値観に一切の疑問も持たずにいた。

三人だけでなく世の中のすべての人間がそうであると思っていた。

そうでない人間がいることなど三人には想像することすらできなかった。

それほどまでに三人は愚かだった。

いや、愚かなだけなら罪は軽いが三人は極めて凶暴だった。

欲しいと思ったものは人のものでも躊躇せずに強奪した。

時には欲しくもないものでさえ強奪した。

そんな時は暴君の如く抵抗するものに暴力を振るうことが目的だった。



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