【天使の片翼】
カルレインの不機嫌な声が自分に向けられているのがわかって、
ソランはさらに頭を低くすると、気づかれぬように床へとため息を転がした。
・・はぁ~。やっぱり。
このところ、何かといえばカルレインが自分の行動を制限する。
正確には、自分たちの行動を、だ。
「もう!なんでカリナを連れて行かなきゃならないの?
私、街で買い物がしたいのに!」
「カリナはお前と遊びたがってるんだ。妹の面倒くらいちゃんとみてやれ」
いつも面倒みてるじゃない、と文句を言いながらも、結局はカリナを連れて馬車で出かけることになった。
「ソラン。くれぐれも間違いがないようにな。いいな」
「・・・はい」
間違い、が強調されているのが、心にしみる。