【天使の片翼】

カルレインの不機嫌な声が自分に向けられているのがわかって、

ソランはさらに頭を低くすると、気づかれぬように床へとため息を転がした。



・・はぁ~。やっぱり。



このところ、何かといえばカルレインが自分の行動を制限する。

正確には、自分たちの行動を、だ。


「もう!なんでカリナを連れて行かなきゃならないの?

私、街で買い物がしたいのに!」


「カリナはお前と遊びたがってるんだ。妹の面倒くらいちゃんとみてやれ」


いつも面倒みてるじゃない、と文句を言いながらも、結局はカリナを連れて馬車で出かけることになった。


「ソラン。くれぐれも間違いがないようにな。いいな」


「・・・はい」


間違い、が強調されているのが、心にしみる。

< 419 / 477 >

この作品をシェア

pagetop