+。*キセキ*。+
1、運命の出会い
「山田春実さん」
「…はいっ」
これからの私の中学校生活に幕が開いた。
期待と不安がある中学校生活。
一体どんなことがあるのかな!?
私は色々なことで胸をふくらませていたんだ。
これから先どんなことがあるのかは私も…誰も知らない。
だって私の中学校生活はまだ始まったばかりだから――

それから翌日のことだった。
私が友達できないか――と溜息をついたその時だった。
「何してるの?」
1人でいる私に2人でいるうちの1人が声をかけてくれた。
中田菜美ちゃん。
細身で背は私よりちょっと高いぐらいだ。
ショートヘアで元気が合って可愛い。
もう1人は土屋凛々子ちゃん。
2つに縛っていて、背が高くて大人っぽい子だ。
 私はとても嬉しかった。
だから色々なことをたくさん話したくなった。
まずは悩んでたことを聞いた。
「ぞうきんってどうやってかけるのか分かる?」
何でぞうきんだったんだろうなぁ…。
分からないけど多分単純な理由だ。
さっきぞうきんをかけてたからだ。
まぁ喋る内容をいちいち考えたりしないし、
ただ思いついたことを言うだけなんだ。
どんな質問をしても、どんな変なことを聞いても、
菜美はちゃんと答えてくれた。

私はだんだん心を開いていくようになった。
こうして、私は確信した。
この1年は楽しい1年になると。
そう思うと嬉しかった。
期待が高まった。

この日をきっかけに私は2人と仲良くなったんだ―――
そしてともに行動するようになった。
共に時間を過ごすようになった。
楽しくて嬉しくて笑顔が絶えなかった。
2人は相変わらず仲良しだったけど、
負けないくらい仲良くした。
…平等だった。
いつも3人で話していた。

そうだったんだ…。あの日までは。

どうして…変わっちゃったんだろう?
どうして…離れちゃったのだろう?
幸せすぎたんだ。
幸せすぎたから、贅沢してしまったんだ。
贅沢なんかしなければ良かったのに。
どうしてできなかったのだろう…?
後悔の連発だ。
あぁ…戻りたいよぉ…。

「春実ぃ――――!!」
いつもこうやって来てくれる。
「なぁに?」
私は返事をするんだ。
来てくれるのが当たり前みたいに。

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