《先生と僕》〜タイムトラベルスイッチ〜
学校の手前で別れ、いつも通り、別行動になる。








僕は、何気なくふらふらと、自分の家の方へと歩いて行った……。









母さんの鉢植えが、水やりを終えた後なのか、キラキラと光っている。









僕は、万が一母さんたちと鉢合わないように、一つ先の曲がり角に隠れて、そぉっと、家の様子を伺った。









母さん…ばあちゃんも若いんだろうなぁ。



弟の陸人(りくと)なんて、まだ1才位だよな。











すると











バタン!!








家のドアが開き、母さんが血相変えて飛び出て来た。







続いて、ばあちゃんと、1才の陸人を抱いたじいちゃんも出て来た。









母さんは、ばあちゃんに



「やっぱり、家中どこにもいないわ!トイレにもお風呂場にも、タンスにも隠れてない。


お友達の隆宏くんの所にも来てないって……。





どうしよう………。





奏人に何かあったら…私…私……。」




その場にへたり込む母さん。











「あ………………。







僕、この日のことを覚えている…………。」











ばあちゃんが、母さんの肩を抱いて



「大丈夫よ〜美津子さん。奏人はしっかりした子だから、きっと危険なことはしないはずよ〜。」






「そうそう!アイツ意外にちゃっかりしてるところあるから、大丈夫じゃよ。」





と、じいちゃんも、母さんをなだめる。
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