《先生と僕》〜タイムトラベルスイッチ〜
母さんたちが、バタバタと河原へ向かう。








僕も、こっそり後を付ける。










河原に到着すると











「奏人っ!!!」










母さんの大きな声が響き渡った。









河原に座って、カブトムシを手にしていた5才の僕が振り向いた。









わぁ!顔は僕なのに、幼いっ!









母さんたちが近寄って…








「奏人!!ダメじゃない!!一人で外に出ちゃ!

母さんたち、みんな、心配したんだから……。





本当に……無事でよかった……。」






そう言って、5才の奏人を、母さんは抱きしめた……。






ホッとしたのか、涙を流しながら…。









僕の記憶にある限り、僕が母さんの涙を見たのは、この日が初めてだ……。
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