《先生と僕》〜タイムトラベルスイッチ〜
「……。」
「………くん?」
「小田切君っ!」
[ほらっ!アンニュイ奏人、あてられてるよ!]
隣の女子が囁く。
「えっ!?はっ、はいーっ!」
クスクス……。
気が付くと、福井先生が僕の目の前まで歩いてきていた。
おっと!菊池なんかに気を取られて、うっかりしてた!
「こらっ!小田切君、ボーっとしないっ!
久しぶりに来たからって、特別扱いしないぞぉ〜!
はいっ、ここから読んで〜。」
と、福井先生は、微笑みながら、僕の教科書のページをめくり、読み始める箇所を指差した。
「…………うそだ。」
えっ?
今、右斜め前方から何か聞こえた…?