《先生と僕》〜タイムトラベルスイッチ〜
“ 「ただ、アレはまだまだ、修正する課題がたくさんあるしなぁ、まだ完成品とは呼べんのじゃよ…。


何しろ、《2回》しか使えんしな。」




「《2回》!?なんだか使い捨てみたいですね。(笑)」



「そうだな…。(笑)はっはっはっ!


なんと、《2回》使うと、自動消滅して燃え尽きてしまうんじゃ。

良からぬ誰かに拾われて、悪用されないようにな。




わしは奏人と約束したんじゃ……。


いつか、じいちゃんが奏人をタイムトラベルに連れて行ってやる。…って。





わしは、その約束を果たせなかったんじゃなぁ…。」




「……まだ、間に合うんじゃないんですか??


奏人君が、もう少し大きくなったら、その【タイムトラベルスイッチ】を使って、タイムトラベルできるんじゃないんですか?」




「わしは……この【タイムトラベルスイッチ】を作り始めた時から、心に決めていることがあってな…。


これは、使いようによっては、『歴史を変えてしまう』かもしれない大変な代物じゃ。


たとえ完成品になったとしても、奏人が成人して、物の善し悪しを判断出来るようになるまで……。

全て自分で責任が負える年齢になるまで…


奏人には見せずに、取っておこうと思っているのじゃ。


だから、わしは、それを¨ある場所¨に隠して、いつも自分でその上に座って、守っているのじゃ。


それを、アイツは15で見つけちまうとはなぁ…


さすが、わしの孫じゃな!はっはっは〜!


ついでに、わしは…アイツが20歳になるまでは生きられないってことじゃな。」
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