溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
「一人の体じゃねえってどういう意味だよ」

紅夜さんが額に手を当てて質問をした

顔がみるみる青くなっていくのが…わかる

『綾は妊娠してるんだ』

…やっぱり

私は心の中で呟いていた

一人の体じゃないって言われたら…そうなるよね

紅夜さんが唇を噛みしめた

胸の奥が苦しいよ

紅夜さんの感情を思うと

ううん、違う

勝手に、嫌でも紅夜さんの気持ちを考えてしまう

考えたくないのに、鈍感なふりをしていたいのに、私の脳が紅夜さんの気持ちを読みとろうとしてる

「それなら、やっぱ家政婦を…」

『綾は家政婦を雇うほどじゃないと言っている
綾の体調が安定するまで、お前は家で過ごせ
いいな、これは命令だ
今すぐに戻って来い』

「んだよ、それ
意味がわからねえな
俺は今…」

『女と過ごしてると?
お前の女遊びの悪さは知っている
どうせ、遊びなのだろ
すぐに家に来るんだ』

「無理だ、行かない」

『来いと言っているんだ
そんなに女を抱きたいなら、今夜だけ、連れてくるのを許す』

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