溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
「愛実、行くぞ」
玄関で動きが止まっている私に、紅夜さんが声をかけてきた
はっと意識を戻すと、私は昨日、買ったばかりのサンダルに足を引っかけた
「愛実、大丈夫か?」
「え? あ、うん」
私は笑顔を作る
紅夜さんがすごく心配そうな顔をしていた
『平気だよ』ってさらりと言ってしまえたら、いいんだけど…私の口からは出なかった
出さなくちゃ、言わなくちゃって気持ちはある
でも、重く圧し掛かった不安が、私が言いたい言葉を喉で遮っていた
本心は、紅夜さんに行って欲しくない
私は綾さんと会いたくない…て思ってる
でも、紅夜さんしか…いないから
紅夜さんしか…
考えれば、考えるほど、胸が苦しくなる
部屋の鍵をかけた紅夜さんが私の腰に手を回してくる
やだっ!
私はすっと紅夜さんから離れた
「愛実?」
紅夜さんが、眉をひそめて歩みを止めた
私は3歩ほど前に出てから、振り返った
「…ごめっ、でも…今は、病院に行かないと」
紅夜さんは一瞬、苦しそうな顔をするが、笑顔で隠した
「そう、だな」
本当は触れてほしいのに、どうしてだろう
今は触れて欲しくない
矛盾している
私、胸が苦しいよ
玄関で動きが止まっている私に、紅夜さんが声をかけてきた
はっと意識を戻すと、私は昨日、買ったばかりのサンダルに足を引っかけた
「愛実、大丈夫か?」
「え? あ、うん」
私は笑顔を作る
紅夜さんがすごく心配そうな顔をしていた
『平気だよ』ってさらりと言ってしまえたら、いいんだけど…私の口からは出なかった
出さなくちゃ、言わなくちゃって気持ちはある
でも、重く圧し掛かった不安が、私が言いたい言葉を喉で遮っていた
本心は、紅夜さんに行って欲しくない
私は綾さんと会いたくない…て思ってる
でも、紅夜さんしか…いないから
紅夜さんしか…
考えれば、考えるほど、胸が苦しくなる
部屋の鍵をかけた紅夜さんが私の腰に手を回してくる
やだっ!
私はすっと紅夜さんから離れた
「愛実?」
紅夜さんが、眉をひそめて歩みを止めた
私は3歩ほど前に出てから、振り返った
「…ごめっ、でも…今は、病院に行かないと」
紅夜さんは一瞬、苦しそうな顔をするが、笑顔で隠した
「そう、だな」
本当は触れてほしいのに、どうしてだろう
今は触れて欲しくない
矛盾している
私、胸が苦しいよ