溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
私が、振り替えると、紅夜さんがにぃっと白い歯を見せて笑った

「んじゃ、綾の様子を見てくるから」

紅夜さんが一歩前に踏み出した

「うん、廊下で待ってる」

私は横を通り過ぎる紅夜さんに向って、口を開いた

「あまり遅いと、私が愛実ちゃんを連れて帰っちゃうから」

「おいっ!」

紅夜さんが、病室のドアの前で振り返った

「だって、私、待つの嫌いだもん」

朱音ちゃんは、肩をすくめるとにやっと笑った

すごい…紅夜さんにたいして強気な発言をしているよ

さすが、紅夜さんの妹、朱音ちゃん!

「わかってるよ
朱音も寮にちゃんと寮に送るから、勝手に帰るなよ」

「うん
じゃあ、今日は愛実ちゃんと一緒に寮に帰る」

「はあっ?
愛実は俺とアパートに帰るんだよ」

「このエロ男!」

朱音ちゃんが満面の笑顔を見せた

「うるせえなあ」

半分怒鳴るように、紅夜さんが言う

ちょっと低い声…整った顔、すらりと上に伸びる長身の体

紅夜さんって格好いいなあ

私が、紅夜さんの彼女なんて、やっぱり夢みたいに感じちゃう

紅夜さんは、病室の扉をガラガラっと開けると室内に足を踏み入れた

狭い部屋が見える

ベッドが一つ

白い布団がちらっと見えた

あそこに綾さんが寝てるんだ
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