溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
私は車を降りて、紅夜さんにさびしく頬笑みかける
紅夜さんは気まずそうに片手をあげてくれた
「帰るわよ」
お姉ちゃんが、私より先に紅夜さんの車のドアを閉めると、私の腕を掴んですたすたと歩き出した
「お…お姉ちゃん、ちょっと待ってよ」
「めぐ、なんであんなヤツの車に乗っているのよ。あいつがどういう人間か知っているはずでしょ?」
お姉ちゃんがぐいぐいと私の腕を引っ張っているなか、紅夜さんの車が通り過ぎて行った
紅夜さんの車が、路地で曲がると、お姉ちゃんが足をとめた
「どういうこと?」
「4月に再会して…。同部屋の子のお兄さんだったの。友達の荷物を持って部屋に入ってきたのが紅夜さんで。だから、その」
「そのまま付き合っちゃったわけ?」
「……うん」
いろいろあったけど、と言いたいけれど、どういえばお姉ちゃんに納得してもらえるのだろうと考えると、言葉が喉で引っかかった
「あいつは、本気になんてならない。傷つくのはめぐのほうなのよ」
「うん」
でも今は、真剣に付き合おうとしてくれてるよ?
「私を見てきているわよね? あいつを好きになっても、結婚するのは別の人間なの」
「綾さんでしょ? 紅夜さんが好きな人って。ちゃんと紅夜さんから聞いてるよ」
「は? あいつが正直にそう言ったの?」
「うん、言った。私、綾さんにも会った」
「何それ…堂々と浮気な相手と認められたってわけ?」
「違う。そうじゃなくて。なかなか忘れられない人がいるけど、ちゃんと向き合うからって言ってくれた」
お姉ちゃんは怖い顔をして、私を睨みつけた
「紅夜が? そんなことを言う男じゃないわ」
紅夜さんは気まずそうに片手をあげてくれた
「帰るわよ」
お姉ちゃんが、私より先に紅夜さんの車のドアを閉めると、私の腕を掴んですたすたと歩き出した
「お…お姉ちゃん、ちょっと待ってよ」
「めぐ、なんであんなヤツの車に乗っているのよ。あいつがどういう人間か知っているはずでしょ?」
お姉ちゃんがぐいぐいと私の腕を引っ張っているなか、紅夜さんの車が通り過ぎて行った
紅夜さんの車が、路地で曲がると、お姉ちゃんが足をとめた
「どういうこと?」
「4月に再会して…。同部屋の子のお兄さんだったの。友達の荷物を持って部屋に入ってきたのが紅夜さんで。だから、その」
「そのまま付き合っちゃったわけ?」
「……うん」
いろいろあったけど、と言いたいけれど、どういえばお姉ちゃんに納得してもらえるのだろうと考えると、言葉が喉で引っかかった
「あいつは、本気になんてならない。傷つくのはめぐのほうなのよ」
「うん」
でも今は、真剣に付き合おうとしてくれてるよ?
「私を見てきているわよね? あいつを好きになっても、結婚するのは別の人間なの」
「綾さんでしょ? 紅夜さんが好きな人って。ちゃんと紅夜さんから聞いてるよ」
「は? あいつが正直にそう言ったの?」
「うん、言った。私、綾さんにも会った」
「何それ…堂々と浮気な相手と認められたってわけ?」
「違う。そうじゃなくて。なかなか忘れられない人がいるけど、ちゃんと向き合うからって言ってくれた」
お姉ちゃんは怖い顔をして、私を睨みつけた
「紅夜が? そんなことを言う男じゃないわ」