溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
お姉ちゃんは、紅夜さんを誤解している

ううん、お姉ちゃんは今の紅夜さんを知らないから…紅夜さんの言葉を信じられないだけ

「お姉ちゃん、私は今の紅夜さんを信じたいの」

「信じたい? 信じて、裏切られるのは、めぐなのよ?」

私は、肩を竦めるとお姉ちゃんに微笑んだ

「それでもいいよ」

「めぐっ! 私は許さないわよ。紅夜と付き合うなんて…絶対に許さない」

お姉ちゃんが私を睨むと、再び歩き出した

お姉ちゃん、ごめんね

…ごめんなさい

きっと、お姉ちゃんもまだ紅夜さんが好きなんだよね?

忘れられないんだよね

だから、きっと…私が憎い

偶然に再会して、紅夜さんと会っている私が羨ましい

最初に知り合って、付き合い始めたのはお姉ちゃんだもんね

私が見ているだけの存在だったのに、その立場が逆転しちゃったら…きっと頭にくる

でも、お姉ちゃん

お姉ちゃんが紅夜さんを好きなように、私も紅夜さんが好き

ずっと、好きだったの

最初は、遊びの関係でいいって思ってたの

大勢いるうちの一人で構わないって

まったく無視されるより、遊びでも私の名を呼んで、笑って欲しいって

それがきっかけだった

いろいろ、あったんだよ…お姉ちゃん

ただ再会して、その流れで付き合ったってわけじゃないの

紅夜さんも悩んで、苦しんだ

私も…
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