溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
第二章☆待ち呆け
もう5時すぎ…かぁ

私は教室で、文庫本を片手に時間を確認した

教室の黒板の上にある時計は、5時10分を指していた

紅夜さんにメールして、返事がきてからもう2時間が過ぎている

『大学の講義中だから、終わったらすぐに行くね』というメールが3時5分にあったきり

何の音沙汰もない

「…すっぽかされたかな?」

よくお姉ちゃんもデートの約束をしていて、ドタキャンされてたから

あり得る話だよね

紅夜さんはモテるから

私より好条件の女性から誘われたら、そっちにいっちゃうよね?

連絡すべきなの?

『まだですか?』ってメールするべき?

重たい女って思われたくない

きっと紅夜さんはそういう女性は好きじゃない

思ったときに会えて、楽しく過ごせるその場限りの女性が好きであって

私たちが考えるような『彼女象』は求めてない

だから私は紅夜さんの迷惑にならないようにしないといけない

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