溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
『…な? そういうことなら、電話切るぞ』
紅夜さんは私の声が聞こえたのか
すぐに切断してしまった
電子音が聞こえるなり、朱音ちゃんが納得いかない顔をした
「愛実ちゃん、本当にいいの?」
「うん」
「何時間も待たせるようなヤツなんだよ?」
「うん
他の女性とホテルに行ったり・・・ね」
「え? 聞こえてたの?」
朱音ちゃんの眉尻が下がった
申し訳なさそうな顔をする
「うん、聞こえた
けど平気だから、紅夜さんの性格はなんとなく理解しているつもりだよ」
「ごめん…」
どうして朱音ちゃんが謝るの?
知ってて、好きになったのは私だよ?
「朱音ちゃんが謝らないで」
私は平気だから
本当に平気だから