溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
私は着替えると、化粧をポーチを持って洗面所に行った

これ以上、横になっていても眠れないと思う

ずっと眠れなかったんだもん

私は顔を洗うと、化粧水を乳液をつけた

化粧はしたことがない

毛抜きで眉の形を整えていると、布団の動く音が聞こえた

「…愛実?」

私、呼ばれた?

『あんた』じゃなくて、紅夜さんに名前を呼ばれた?

毛抜きを鏡の前に置くと、洗面所を出た

「愛実っ」

布団の上に立っている紅夜さんは、私の顔を見るとホッとしたように肩の力を抜いて息を吐いていた

どうしたんだろう?

大股で私の前に立つと、ぎゅっと抱きしめてきた

え?

何で? どうしちゃったのだろう?

痛いくらいに、紅夜さんは私を抱きしめてくる

怖い夢でも見たのだろうか?

腕の力が緩んだと思ったら、私の唇に、紅夜さんの唇が重なってきた

少し乱暴なキスだった

「こ…紅夜さん?」

「愛実、なんで着替えてるんだよ」

「え?」

「朝食まで、時間…あるだろ?」

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