溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
第四章☆重い空気 痛むお腹
お腹…痛いなあ

予定日より早く来たはずなのに、普通に痛いよ

帰りの車の中で、私はそっとお腹に手をあてた

胃の下あたりもなんだかムカムカする

紅夜さんは高速を運転している

帰ろうと、車に乗り込んでから一言も発していない

会話なんてしてない

ただ紅夜さんの車にあったMDの音楽が静かに流れているだけ

甘い香水がへばりつくように鼻に入ってくる

薬…持ってたかな?

あるとしたら、鞄の中に小袋で入っているはず

たぶん、あると思うけど

他のかぜ薬なんかと一緒にまとめておいた記憶があるなあ

はあ、なんでこんなときに生理になるんだろう

「辛いのか?」

「あ、大丈夫です」

私はすぐに答えた

平気

痛くない…そう思わなくちゃ

紅夜さんにこれ以上、迷惑をかけちゃいけない
< 36 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop