溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
「真面目すぎる女も、束縛する女も、我慢する女も、無理する女も…俺は嫌いなんだ
大嫌いなんだ」

紅夜さん…私にどうしろって言うの?

私は割れた携帯をテーブルの上に置くと、怖い顔をしている紅夜さんの顔を見た

どうしてそんなに怒っているの?

私はどうすればいいの?

わからない

だって私と紅夜さんの関係って何?

ただの遊びなんでしょ?

年下は好きじゃないって言ってた

真面目な付き合いはしたくないんでしょ?

わけが…わからない

見つめ合って1分もしないで、部屋に呼び鈴が響いた

誰かが訪ねてきたようだ

『ちっ』と舌打ちをしてから紅夜さんが、玄関に向かって歩き出した

家のドアを開けると、可憐な女性がにっこりと微笑んで立っていた

腰まであるストレートの髪が、輝いている

華奢な肩に、細い腕

白い肌はツルンとしていて、触りごこちが良さそうに見える

「綾…なんだよ」

え?

綾さん…?

この人が、紅夜さんの好きな人

そっか、この人と……重なるんだ

重なりそうになるから、イライラしちゃうんだ

紅夜さんの中で、綾さんと私が重なって欲しくないから

綾さんは紅夜さんの中で大切な人だから…


「夕飯、少し多く作り過ぎちゃったから届けに来たの
外食ばかりで、自炊しないって言ってたでしょ?
だから…体壊さないようにって思って」

綾さんが大きなお弁当箱を差し出した

「……いらねえよ」

紅夜さんが冷たく言い放った
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