溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
『タイトル:こんばんは

先週は旅行に誘っていただきありがとうございました
体調もすっかりよくなりました
土日は、紅夜さんに迷惑をかけてしまってすみませんでした』

「固いっ! 愛実ちゃんのメール固い!
もっとソフトでいいと思うよ
どうせ、紅夜兄なんだし」

朱音ちゃん…

紅夜さんだから緊張しちゃうんじゃない

「返事…くるかな?」

「どうだろう
『?』があるわけじゃないから、紅夜さんなら返信しないかも」

私は携帯を置くと、シャーペンを持って教科書に目を移動した

「宿題、やっちゃおうよ」

「そうだね~」

朱音ちゃんが、シャーペンを持つと、私の携帯が鳴った

「あ! 紅夜兄じゃない?」

朱音ちゃんの言うとおり、紅夜さんからの返事だった

『タイトル:今度の金曜日は?

予定あいてる?』

え?

私は携帯を持ったまま、固まってしまった

金曜日?

朱音ちゃんがちらっと私の携帯を見ると、目を丸くした

「おお~、紅夜兄…積極的ぃ」

もう少し…早く紅夜さんにメールしてれば良かった

そしたら長瀬さんと約束する前に…このメールを見れたかもしれないのに

< 60 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop