溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
『そこに愛実がいるのか?』

私の声に気がついたのだろう

紅夜さんの低い声が聞こえてきた

怒ってる?

不機嫌?

何で怒ってるの?

「いるよ
だからメールしたんじゃん」

『愛実にかわれ』

「…だってさ」

朱音ちゃんがにっこりと微笑んで携帯を差し出してきた

困るよ!

紅夜さん、明かに怖い声だよ?

私は携帯を耳につけると、眉に力を入れた

「あ…あの」

『金曜日…』

「ちょっと用事があって」

『ふうん』

ふうん…ってすごく怖いんですけど

どうすればいいの?

「あの…」

『別にいいけど、用があるなら…
土日は?』

「家に帰るので…」

『ふうん』

また…ふうんって、怖いよ

< 63 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop