溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
今、何時だろう…

私は鞄の中で、携帯を見た

午後6時をとうに過ぎていた

紅夜さんに連絡しないと…家にも遅くなるってメールしないと…

困ったな

ここで携帯を出したら、圭太さんにアドレスを教えてって言われたら嫌だし

何度も、『付き合えない』って口にしようとするのに

圭太さんが最後まで言わせてくれないんだよね

その点、朱音ちゃんは凄いな

適当にあしらってる

長瀬さんは、彼氏といちゃいちゃしてるし…この雰囲気、嫌だな

「ねえ、そろそろさ
外、出ない?
別行動ってヤツ…しよう」

「え?」

「おれら、先に帰るねえ」

圭太さんは急に立ち上がると、私の手を掴んでカラオケの部屋を出て行った

「ちょ…あのっ」

圭太さんはぐいぐいと手を引っ張っていく

「待ってください!」

「何?」

圭太さんはカラオケ店を出ると、私の肩を抱いて歩き始める

「離れてください」

「なんで?」

「だって…私は、その付き合うとか…そういうのは」

「嫌なの?」

圭太さんの声が急に低くなる

え?

何?

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