溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
私と紅夜さんはテーブルの上で、互いの指を絡ませ合った

私の冷たい指先と、紅夜さんの温かい指が調和していく

「長時間の運転で疲れたって言って寝たけど…正直な話し、あのまま続けても俺はたぶん、愛実を抱けなかったと思う」

「え?」

「変な意味じゃないんだ
軽い気持ちで、抱きたくないって初めて思ったんだ
こいつはもっと大切に扱わないと…って心の奥でもう一人の俺が叫んでた
だから…生理になったって言った時はちょっとホッとした部分もあったんだ

そうだ…これからは布団から出る時は一声かけろよ!」

は?

私は首を傾げた

「旅行の朝、目が覚めたら愛実がいなくて焦ったんだ
あんときは、俺も酷いことをしてたから自業自得だったけど…先に一人で帰っちまったかと思った」

紅夜さんの声が急に小さくなると、赤い顔をして横を向いた

だから…洗面所から出てきた私を強く抱きしめたんだぁ…

キスも少し乱暴だったから…て、私、あの一回しか紅夜さんとキスしてない

「…んで、話を戻すけど」

紅夜さんは喉を鳴らした

「俺は、愛実と真剣に向き合おうとしているときに
なんで男とカラオケなんだよっ!
しかも朱音とって嘘まで言って…男と一緒だなんて一言も口にしなかった」

「え?」

私は紅夜さんと目を合わせた

紅夜さんはぷいっと横を向く

「俺は怒ってるって言っただろ」

「朱音ちゃんからある程度は聞いていませんか?」

「俺は愛実に聞いているんだ」

「ああいうものだって、私も知りませんでした
長瀬さんに、女性の人数が足りないからって言われたので…
それに最初に頭数だけ揃っていれば、いつ帰ってもいいって言ったので
少しだけ参加して、家に帰るつもりでいました」

「…で?」

「え?」

他に…何か言うことってあるの?
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