溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
紅夜さんの家は普通の一軒家だった

普通の…といってもそれなりに大きな家だけど

豪邸…とかひろーい敷地にポツンと家をあるっていうのを想像してたんだけど

そこまで広い家ではなかった

でもすごく綺麗な家で、埃ひとつ見当たらないって感じ

すごいなぁ

余計な家具もないし、質素だけど高級感のある家だった

紅夜さんは靴を脱ぐと、そのまま奥へと入っていく

やっぱ家に女性がいるって違うんだなあ

私の家は、お姉ちゃんと私しかいなかったし…

掃除する暇もなかったから、こんなきれいな状態は維持できてなかったよ

そう言えば、紅夜さんも綺麗好きなのかな?

アパートの部屋も綺麗に片づけてあった

「愛実? 何してんだよ
さっさと来いって」

居間から顔を出した紅夜さんは、声をかけてくれた

私は返事をすると、皮靴を脱いだ

「紅夜? 来てくれたの?」

二階から女性の声が聞こえてきた

階段を降りようとしている綾さんと私は目が合った

「あ…貴方は…」

綾さんの表情が曇った

やっぱり…綾さんはまだ紅夜さんを好きなんだ

誰も家にいないから、紅夜さんは呼んだんだ

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