溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
綾さんの視線が私に向く

私は下を見た

目を合わせるのが怖かった

「せっかく来たんだから…」

「やることねえんなら、俺らは帰るよ」

紅夜さんが廊下にできてた

「でも…」

「長居するつもりはない
まだ買物の途中だったんだ」

「あ…ごめんなさい
デートの最中を邪魔してしまったのね」

綾さんが軽く頭を下げた

「んじゃ、帰るから」

紅夜さんは靴を履こうとする

綾さんは服の端を掴むと、笑顔で紅夜さんの目を見つめた

「待って
せっかく来てくれたのに、お茶でも…
あ、お夕飯がまだなら食べていく?」

紅夜さんと一緒にいたいのかな?

どうしよう

私…綾さんと一緒にいてほしくない

「悪いけど、今夜は帰る」

紅夜さんは、綾さんの手を振り払うと靴をはいた

「愛実、帰るぞ」

「え…あ、うん」

私は頷くと、綾さんに頭を下げた

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