溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
『綾がお前に電話したそうだな
具合が悪いからって…何で顔だけ見て帰っているんだ!』

「はあ?」

紅夜さんは足を肩幅に広げて右足に重心を移すと、面倒くさそうな声をあげた

どうしたんだろう?

綾さんに何かあったのかな?

本当に、具合が悪かったの?

『なんでもっとちゃんと看病をしないんだ』

「知らねえよ
俺が行ったときは、元気にしてたし」

『客人がいたからだろっ
具合が悪いって言ってるのに、客を連れ来る馬鹿がいるかっ』

「うるせえな
俺だってそれなりに予定があんだよ」

『お前の予定など関係ない
綾は一人の体じゃないんだ』

え?

漏れてきた声は私は視線をあげた

紅夜さんの肩がびくっとなるのがわかった

「なら、家政婦でも何でも雇えよ」

紅夜さんの声が低くなる

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