飛べないカラスたち
与えられた刻印は重たく痛いけれど、それでも『カラス』という場所は居心地がよかった。
心優しいレイヴンはいつも気を使ってくれていたし、クロウとルックはあまり会話はしたことはなかったが、レイヴンが電話の最中に色々と教えてくれて、ある程度知っていた。
またクロウが二日酔いで…、だとか、ルックの身長が少し伸びてた、だとか、そんな他愛もない話。
それでも、レイヴンが二人を思う気持ちは十分に伝わってきたのでジャックドーのほうもクロウとルックを大切にしようと考えていた。
罪もない人間が、痛みを感じながら生きているならば、その痛みを断ち切ろう。
罪深い人間が、痛みも感じずに生きているというならば、相応の痛みを与えてやろう。
ジャックドーは、この信念を変えた。
自分の大切な人が、傷つく時、自らが盾になろう。
自分の大切な人が、傷つけられる時、その時が来る前に自分が先にその動きを封じよう。
大切な人のために生きていくことを、誓った。
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