飛べないカラスたち



エレベーターが到着し、最上階のボタンを押す。耳が気圧の変化でおかしくなるのも束の間、すぐにドアが上品な音を立てて開いた。


他の階と少しだけ造りの違う、綺麗な最上階の最奥。


ドアを開くと、いつもの通りルックはソファへと寝転ぶ。段々と視界が歪み、脳内がくらくらと酔うような感覚が起こり始める。


ゴシゴシと目を擦りながら必死に眠気を取ろうとしているルックに気付いたのか、レイヴンはくすくすと笑いながら声を掛けた。



「眠っていても大丈夫ですよ」



「ん……」



その言葉に甘えるかのように小さく頷くとゆっくりとその目を閉じた。



「おやすみなさい、ルック」



「…おやすみ、兄さん……」







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飛べないカラスたち
Side-crow-
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