飛べないカラスたち




耳を劈く発砲音。


聞きなれていたはずの音は嫌に、響いた。


はっ、と。


驚いて、目を、開いた。


頬に触れた微かな、体温。


母親の手が確かにクロウの頬を撫で、控えめに微笑んでいた。



「……ごめんね、……今更謝っても…ダメ、よね…、生きて…ね………アヤ…優しい、私の…」





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