僕が君に
プルルルルル…
「でないな…」
真紘くんが熱をだしてしまい、真紘くんのお母さんに電話をしているところだった
しかし家の電話は一向に出る気配がなく、携帯にかけても電源が切られていて繋がらない
「園長どうしましょうか」
「このまま放っておくわけにもいかないわ。進藤先生、真紘くんを病院に連れてってもらってもよろしいかしら」
「はい、わかりました」
俺は真紘くんを連れて近くの小児科へと足を運んだ
病院の待合室では泣いてる子が多く見られた
真紘くんは静かに絵本を読んでいる
遠くのほうにあるテレビは、泣き声や話し声で音声が途切れ途切れにしか聞こえない
画面をじっくり見ると、最近多発している通り魔事件の内容
見たことのある風景がテレビに映っている
そのあとの文字に目を疑った
死亡 ・・・・・・・・・・1名
重傷 ・・篠塚真理子・・・3名
軽傷 ・・・・・・・・・・7名
篠塚真理子は真紘くんのお母さんの名前だった
まさか…同姓同名かもしれない…
真紘くんを見るとテレビを見る事なく絵本を読み続けていた
「篠塚真紘くん、篠塚真紘くん、中へお入り下さい」
「真紘くん中に入ろう」
その時の俺は半ば強引だったかもしれない
テレビを見させまいと必死だった
真紘くんは普通の風邪で薬だけで大丈夫だと言われた