僕が君に


保育園に戻り、真紘くんを医務室で寝かせてあげる


「恵せんせぇ」

小さな声で俺を呼ぶ


「ん?どうしたの真紘くん」

「ママ来れないの?」



1番聞かれたら困る質問だった


「まだ来れないみたい。早く来てくれるといいね」



少しだけ胸が痛くなる


真紘くんは熱で赤い顔をしながらも、ニコッと笑い小さく頷いた


なにか悪いことをしているようで胸が更に痛む



自分も微笑み返し、園長の元へと急いだ



園長室にはテレビがあり、その映像が園長室の空気を重たくしていた



「先程ね、電話があったの…」



園長の話は俺の頭に入っているようで入っていなかった


覚えているのは、事件の被害者である篠塚真理子は真紘くんのお母さんだとゆうこと


救急車が駆け付けた時にはまだ意識があったものの、病院で治療中亡くなった…とゆうこと



園長は泣いていて、俺はただ立ち尽くすだけだった



涙を流していたのかすら覚えていない





真紘くん…


僕は君に何をしてあげれるだろう…





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