僕が君に
薄暗い部屋にカーテンの隙間から光が差し込む
寝汗をかいたのか体が湿っていて気持ちが悪い
久しぶりに小さい頃の夢をみた
小学2年の夏休み
家族と遠出をした帰り道だった
父さんと母さんと俺の3人で車の中で歌なんかうたったりして
誰が悪かったわけでもない
何も悪いことなんて一つもなかった
なのに…
神様は俺の両親を奪った。
ワゴン車との正面衝突
あの時に見てしまったエアバックについたたくさんの赤い液体…
脳裏に焼き付いてる
その後、俺は意識を失い、気付いたのは病院のベッドだった
俺だけが残った
俺は奇跡的に軽傷ですみ、事故のショックからかずっと眠り続けていたらしい
小さい頃の記憶なんて曖昧で鮮明に残っているのは事故った瞬間と葬式の日に見たまわりの大人の目
可哀相に…なんて言葉は俺にむけた同情で、本当は誰が俺を引き取るかで揉めていたのを知っている