誰も知らない花であるように
夢の終わり
いつか夢が終わることを僕が知ってしまったら

その時は小さな船に乗せて

他に誰も乗れないくらいの小さな船に乗せて

何処にも辿りつかない海へ流してください

花は手向けないで

代わりに細い枝を握らせて

嘘じゃないと知らせてください

泣き叫んだなら

ナイフを右手に括り付けて

泣き止むのを見送ったら

そっと船のロープを解いて

何処にも辿りつかない海で

何処にも辿りつかないように

それは終わりの向こうにあるものが

「終わり」ではないことを知るために
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