走馬灯
走馬灯
二学期が始まった。
「ほんとに大丈夫なのかよ。」
心配そうに真菜の顔を覗き込む健次。
「大丈夫、大丈夫!」
とピースサインをする真菜。
「無理すんなって。」
と、はなっから真菜の言葉を信じていない健次に腹が立つ。
きゃしゃな真菜の笑顔は、はかなげだ。
ああいう女の『大丈夫!』は、
男には、『助けて』と変換されるのだろう…。
そんな事を思いながら、窓際で話す、絵になる二人を眺めていた。