天使的に☆悪魔的な
俺は、頭がイカれてるこいつの拳を掴んだ。


『こいつに手を出したら……









絶対俺が許さない!!』

ブンッ!!



男の拳をはたき落とし、



パシッ!!


『逃げるぞ!!!』


『え……うん!!!!』



俺達は、がむしゃらに逃げた。



『おい、待て!!!!』


シツコイくらいに追いかけてくる男達。



どうやら諒太達はそのまま置いてきたみたいだ。



それに気付き安心なしたのか、



ギュ……


青依がしっかりと俺の手を握った。



………今思えば、こんな事なんてなかった。


いつも俺は青依に引っ張られてばかり。


何から逃げるときも、


『早く!!!!』



青依が先に手を伸ばしていた。



あの頃から、


俺は、強くなりたいと願った。


いつまでも青依に助けられたらみっともない。


だから、俺は強くなった。


青依ほどまではいかないけと、大抵の人には勝てる。



だけど、何かが足りなかった。



それは、守るもの。



俺は誰が守りたかった?



………青依が守りたかったのに、



一体俺は何をしてたのだろう?


俺は、無我夢中に走りながら、



ずっと自問自答していた。


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