天使的に☆悪魔的な
その時、


バタン!!!!


『………え?』




急に二人とも倒れた。


どういう………



『ったく。男の癖に女を泣かすなんて最低な奴ね。』



二人の上に足を起き、見下ろしていた人がいた。


『…………青依。』




相変わらず、こう言う場面に出てくるのは青依だけだ。



『てかどうやって?』

『ん?』

『どうやって二人を?』


『ああ。簡単な事よ。

まず背の高い先輩の首に飛び蹴り、

そしてそのまま近くにいた諒太も退治した訳。』



いかにも簡潔な言い方で答えた青依。


お気遣いに感謝するわ。


『さぁ!!このバカを運ぶわよ!!

諒弥、陸。

こいつらを保健室まで運んで。』


『ったく何で俺達が運ばなきゃなんないんだよ!!』



『怪力なお前が運んだ方が効率的だろ。』

『怪力って言うんじゃねえよ!!!このナルシ!!』


………言わなくてもいいが、


もちろんの如く、陸に鉄拳が飛んできた。


そしてそのせいで杏が暴力化したのも……。


………何か安心した。


いつもな状況で。



あたしは安心して座り込んだ。


相変わらず喧嘩の真っ最中。


分かってんだよ。


傷ついたあたしに気を使ってわざわざ明るくしてるって。



だから、



『………ありがとう。』


たまにはお礼の言葉もいいかも。


< 190 / 243 >

この作品をシェア

pagetop