天使的に☆悪魔的な
無情にも、諒太の葬式はあっけなく済んだ。


救急車に便乗したあたし達五人は、特別に行った。


写真の中に写っている諒太の顔。


それは、いつもの諒太ではなかった。


それから諒太は火葬場に行った。


さすがに火葬場までは行けなかったけど、


諒太の両親の計らいで、特別に里衣だけ入らせてもらった。


帰りのバスで、あたしはあの日の事を話した。



『………諒弥と掃除してた時、突然写真が割れたの。』


その中には、



夏休みに行った、先輩の別荘での写真。


『……分かってたんだ。何かが起こるって。』


あたしは泣き出した。


あの時、何か感づいてたら、


諒太は助かったのかな?って。


バスの中では、後悔と言う文字があたし達を苦しめていた。


それから月日は流れ、

学校も、だいぶ元に戻ってきた。


ただまだ諒太のクラスとバスケ部は不穏な空気が流れてるらしい。

また、あの事故現場に行った時、

みんな密かに諒太を思い出してる。


そんな日が静かに過ぎていった。


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