天使的に☆悪魔的な

君☆智樹

諒弥が渡してきた手紙。


それに何が書いてあったか分からなかった。

ただ、


諒弥の少し腫れた瞳を見た時、


それに、あいつの想いが描かれてる事は分かった。


『………バカ、』


手紙を読み終わったのか、里衣がぽつりと呟いた。


『何で、こんな事言うの?


あたし、諒太に何も出来なかったのにな……。』


体を震わせ、静かに里衣は鳴き始めた。



砂浜に一粒一粒落ちてくる涙には、



後悔と、愛しさが混ざっていた。




そんな姿を見たら、









ギュッ……。


『…………智…樹…。』



抱き締めたくなる。



俺は何度も里衣を抱き締め返した。


今離すと、


逃げていきそうで怖いんだ。




『里衣はまだ、あいつの事が忘れられないと思う。



でも少しずつでいいから、


俺にも……









諒太を愛した分だけ、愛を頂戴。』



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