カラス
駄菓子屋にて
 僕は、劇的な再会を果たした。

――とは言っても、三年前に引っ越した同級生がたまたま休みを利用して、引っ越す前のこの町に帰ってきただけ。
 それでも、僕には劇的に思えた。
 何しろ、僕は彼女に恋をしていたのだから……。
 それはさて置き、再会した場所が小さい頃から菓子類を買っていた駄菓子屋だった。
“平凡”――その二文字に、三年の時が一気に逆流したのでは? と思うほどであった。
 中学の頃引っ越した彼女はとても綺麗になったが、三年経った今もまだあの頃の幼さを残していた。
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