もっと好きになる




一緒に行けないなら速く学校に行こうかな。



ある程度用意出来た頃には時間を見ると8時前。



「よし、行ってきまぁす」



「気をつけてね」



あたしは玄関で叫んでドアを開けて家を後にした。



あたしには3コ上のお姉ちゃんがいる。



だけど朝はバイトだからって、すれ違い生活が多い日々。



お父さんは夜が遅くて、帰って来た頃には既にあたしはベットの中で眠っている。



専業主婦のお母さんは、いつも家にいるけど忙しくて出かける時も多かった。



だからあたしの家は全員で夜ご飯を食べれない。



家族団らんには厳しい毎日だった。



学校へ着くと、教室までゆっくり歩いた。



朝練をしている部活動達の声が聞こえてきて、真夏だからかジーンと暑い。



ガラッ



教室のドアを開けると、誰もいなくてあたしが一番着だったみたい。



「はぁ…」



ベタリと自分の机に顔を埋めると、目をつぶった。



その時だった……



< 10 / 30 >

この作品をシェア

pagetop