もっと好きになる
一緒に行けないなら速く学校に行こうかな。
ある程度用意出来た頃には時間を見ると8時前。
「よし、行ってきまぁす」
「気をつけてね」
あたしは玄関で叫んでドアを開けて家を後にした。
あたしには3コ上のお姉ちゃんがいる。
だけど朝はバイトだからって、すれ違い生活が多い日々。
お父さんは夜が遅くて、帰って来た頃には既にあたしはベットの中で眠っている。
専業主婦のお母さんは、いつも家にいるけど忙しくて出かける時も多かった。
だからあたしの家は全員で夜ご飯を食べれない。
家族団らんには厳しい毎日だった。
学校へ着くと、教室までゆっくり歩いた。
朝練をしている部活動達の声が聞こえてきて、真夏だからかジーンと暑い。
ガラッ
教室のドアを開けると、誰もいなくてあたしが一番着だったみたい。
「はぁ…」
ベタリと自分の机に顔を埋めると、目をつぶった。
その時だった……