もっと好きになる
『もしもし。秋山?』
その声は……瀬戸君?!
いきなりで驚いて、その場で身体を起こした。
何であたしの電話番号知ってるの?
「ど、どうしたの?なんであたしの…」
『俊希に聞いた。でも教えてくれなかったから、結局前島に聞いた』
前島歩美…歩美から聞いたんだ。
でもどうして俊希は、あたしの番号教えなかったの?
気を遣ったのかな?人の番号だしね。
「何で電話してきてくれたの?」
素直に質問すると、クスッと笑われた。
『今日の秋山見てたら心配だったんだよ。普段深刻な話とか出来ないだろ?電話だったら本音吐くかなぁって思って。あ、勝手に番号聞いてごめんな?』
早口で説明する瀬戸君がおかしくて、つい笑ってしまった。
いちいち気を遣ってくれて、困ってる人を見たらほっとけない人なんだなと思った。
「ありがとう、心配してくれて…」
『何かあったんだろ?言ってみ?』
ちょっと荒い言葉遣いだけど、やっぱり優しい口調。
瀬戸君ならあたしの本音、ちゃんと聞いてくれるかな?