もっと好きになる
[迷い道]
――夏休み。
気づけばあたしの学校は、今日から夏休み。
暑い暑い毎朝の登校も、しなくて良いと思うと気分が盛り上がった。
今日から昼ぐらいまで寝てても良いんだぁってね。
リビングのソファに寝転びながらアイス片手にテレビを見ていた。
ふと時間を見ればもうすぐ昼…
にしても、どうして夏休みは幸せな期間なのにつまらないんだろう。
「誰か遊べないかなぁ~…」
一応これでも受験生で、ほとんどの人は受験勉強で遊ぶ相手が見つからない。
仕方なくダラダラと階段を上がり、勉強しようとした時…
ピンポーン…ピンポーン…
家のインターフォンが鳴った。
誰も来る予定なんてないし、勧誘か宅配便だと思って判子を引き出しから取り出した。
「はーい、ちょっと待ってください~」
ガチャッと開けたドアの向こう側には、太陽の光で顔が丁度隠れている人が立っていた。
誰だろ?手で太陽の光を隠すと、そこにいたのは俊希だ。
普段着に胸がキュンと縛られる。
「俊希…」