もっと好きになる
「なんかあったんでしょ?隠してても無駄だよ。あたし分かるもん」
ねぇ、図星でしょ?…
あたしだって頭悪いけど、人の気持ちなんて分からないかも知れないけど。
俊希の事だけはすぐ分かるもん。
俊希はハハッと笑うと、あたしに振り向いた。
「お前、なんかストーカーみたいだなぁ」
いつもの俊希に戻ったような気がした。
笑ってないと、俊希じゃないよ……
だけど何度聞いても『何もない』と言い張るだけで、あたしに何も話そうとはしなかった。
もしかして本当にあたしの勘違い?
それとも何か隠し事してるの?
「お昼食べていく?もうすぐお昼ご飯食べるんだけど」
「まじ?ご馳走になりまーす♪」
あたしはキッチンに向かい、お昼ご飯を作り始めた。
その間も他愛のない話が続いていた。
「そういえばさ、俺最近先輩に絡まれるんだよなぁ」
ズキッ…
やっぱり美紀先輩の話になったら胸が痛くなる。