もっと好きになる
「よーぉ」
「俊希!!」
裕也さんは俊希に気づいて道を開けた。
俊希はあたしの目の前まで来て、立ち止まった。
「あれ?梓浴衣じゃん」
裕也さんとはまるで違い、平然とする俊希。
やっぱり幼なじみと彼氏は違う種類だよね…
「俊希じゃん。お前浴衣じゃんー」
裕也さんは俊希を指差しながら言った。
「浴衣じゃなくて、甚平って言ってほしいんすけどー」
俊希は真顔で突っ込んだ。
そういえば俊希、甚平来てる…
黒い甚平がすごく似合っていて、いつもよりも倍にかっこよかった。
お姉ちゃんも耳打ちで『かっこいいね。俊希』と言ってくれた。
どんどん俊希がかっこよくなっていくよぉ……
美紀先輩も惚れ直すだろうなぁ。
そしてあたしと俊希、お姉ちゃんと裕也さんは一緒に祭りの会場へと向かった。
「えぇ?!今日二人じゃないの?」
会場に向かう中、お姉ちゃんと話していると急に大きな声をあげた。