もっと好きになる
褒め返すとニコッと笑って顔を赤くする先輩。
あたしも愛想笑いで返した。
隣にいたお姉ちゃんの顔を見ると、睨むような目で美紀先輩を凝視している。
血の気が引いていく気持ち……
「美紀ちゃんだよね?」
「あ、もしかして梓のお姉ちゃんの……尚美先輩ですよね?!」
思い出したのか、ポンと両手を叩いて目を見開く美紀先輩。
確かにお姉ちゃんは"尚美"という名前だ。
お姉ちゃんはコクンと頷き、本題に入った。
「今日は梓と俊希と一緒に祭り回るの?」
「え、はい♪回らしてもらいまーす♪」
あたしと正反対のタイプ…なんていうか、女の子らしい言葉遣い。
あたしと美紀先輩を選ぶとしたら、断トツ俊希は先輩を選ぶよね?