もっと好きになる
気づけばあたしは俊希の横で眠りについていた。
「ん~…今何時?…」
ぼやけた視界をリビングの時計に目を向けると、午前2時を回っている。
って事は日にち変わっちゃったんだ。
ふと隣を見ると、気持ち良さそうに眠っている俊希の寝顔。
「よっぽど酔ってたのかな…」
じっと寝顔を見ていると、鼓動がドキドキと速くなるのが分かった。
思春期真っ盛りのあたし達は、昔と変わらないくらい仲が良くてケンカして。
だけど何処か違う今と昔とでは少し距離があって。
こうやって顔を見るのも、小学校以来かも知れない。
「何見てんだ?」
「…へ?」
ばっちり目が合ったあたしは、驚いて顔を真っ赤にした。
いつのまに起きてたの?!
酔いが冷めたのか、真直ぐあたしを見る俊希に目を逸らしてしまう。
「まさか寝てるところを襲うとか…」
「ち、違うもん!俊希の寝顔を面白かったから~…」