焦れ恋オフィス
ゆっくりゆっくり箸を進めながら、母さんの明るい声に相槌をうつけれど、気分が良くないせいか、普段のように笑えない。

私が雰囲気を壊す事は避けたい…。

妊娠の事も、母さんが酔ってない時に言いたいし…。

「芽依ちゃん、お腹すいてない?」

「え?…うん、お昼食べたの遅かったし」

「そう…」

笑って言う私に、少し怪訝そうに首をかしげながらも、それ以上突っ込んで来ない央雅にホッとする。

大学生になったばかりなのに、少し大人びている男前。

私の自慢の弟。

今は母さんやパパと同じく、医者を目指して勉強中。

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