焦れ恋オフィス
3
失う痛み
普段なら、芽依と一緒に迎える月曜日の朝。
けれど、今朝目覚めた時に芽依の温かさがなくて、そんな朝がどれだけ幸せなのかを実感してしまう。
サイドテーブルに置かれている小さなベルベットのケースを手に取ると、じわじわと優しい気持ちと緊張感が体を包む…。
ケースを開けると。
俺の黒い心を洗い流してくれるような…綺麗な光。
「ダイヤってこんなに光るんだな」
ケースに治まっている指輪をゆっくり取り出して、光にかざすと芽依への愛が満ちてくる。